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いにしえゲーム血風録 八回裏無死 「ハドソンキャラバンシューティング(スターフォース編)」

いにしえゲーム血風録 八回裏無死 「ハドソンキャラバンシューティング(スターフォース編)」 http://ift.tt/1ZAy9DG

 前回もお話ししましたように、スターフォーステーカンが開発したアーケードゲームでした。これをFCに移植したのがハドソンで、これを使用したゲーム大会が「キャラバン」であり、その後のハドソンSTGの礎ともなりました。ハドソンSTGのいわゆる「バリバリ連射の隠しボーナス満載」は、つまりはテーカンが産み、ハドソンが育てた貴重な系譜とも言えましょう。それではストーリーです。

 

 「暗黒の宇宙を漂う巨大な浮遊大陸があった。その名はゴーデスと言い、破壊と殺戮を繰り返していた。防衛軍は最新鋭戦闘機『ファイナルスター』を開発、ゴーデス破壊のため飛び立ったのだったのだった。」

 

 と、まぁ、この時代特有の有って無いようなストーリーです。しかし「浮遊大陸」という響きが何ともミステリアスで、とても印象的だったことを覚えています。それではシステムに参りましょう。

 

 このゲームは縦スクロールシューティングです。十字キーで自機を8方向に移動、ボタンでショットを撃つことが出来ます。敵は空中物、地上物がありますが、自機のショットは特に区別なくヒットするので、「敵出現=ショット発射」という分かりやすいゲーム性となっています。敵弾や空中物に触れると自機が爆発してミス。残機を全て失うとゲームオーバーとなります。

 ステージは浮遊大陸ゴーデス上を進む構成となっており、大陸上の地上物や迎撃してくる空中物を破壊していくことになります。全24面、ギリシャ文字に準え、1面は「アルファ・エリア」、2面は「ベータ・エリア」と呼ばれます。そして一定数の敵を破壊すると「エリアターゲット」と呼ばれる巨大コンピュータが出現し、これを破壊すればステージクリアとなります。エンディングはなく、25面以降は∞「インフィニティ・エリア」となり、ひたすら浮遊大陸ゴーデスをループしていきます。

 続いてパワーアップですが、中ボス「ラリオス」が出現した後に、球状の物体が飛んできます。これを破壊すると中から「パーサー」という友軍機が現れ、これと合体することで弾速が速くなり、オート連射が付き、上下移動速度が速くなります。かなり強力なパワーアップですが、ミスすると当然無くなります。

 

 以上が基本的なシステムです。何だかただただバリバリ連射していくゲームのような感じがしますが、しかしこのゲームには多くの隠し要素が存在し、ゲーム内容を奥深いものにしています。ここでそのいくつかをご紹介しましょう。

 

・ヒドン:浮遊大陸上の何も無い所を撃つと、時折金属音と共に「H」のパネルが出現します。これがヒドンで、4発撃ちこむことで破壊出来ます。スコアも2000点と高めで、ハイスコア、特に時間の短いキャラバン大会では重要なキャラクターと言えます。

・ラリオス:中ボス的存在で、突然BGMが切り替わり、画面上部にコアが出現します。その後光った後に前後左右斜めの計8方向からパーツが飛来して合体します。合体後はゆっくりとした体当たりをしてきます。8発撃ちこむことで破壊出来ますが(1000点)、コアが光った後、合体前に8発撃ちこんで破壊すると50000点の隠しボーナスが入ります。キャラバンでは必須のボーナスです。

・ボーナスターゲット:浮遊大陸上には「B」あるいは「b」と記されたパネルが複数存在します。これらを破壊した数によって、エリアターゲット破壊時のエリアボーナスが変化します。エリア内全てのパネルを破壊すれば10000点、1つ逃せば5000点、2つ逃せば3000点…、と減っていきます。なお、「B」と「b」は別集計となっています。全部破壊出来れば10000点と大きいですが、しかしボーナスターゲット自体には得点はないから困ったものです。キャラバンでは必須のボーナスです。

・ジムダステギ:浮遊大陸上には「⇔」が記されたジムダという地上物が存在します。これは4発撃ちこむことで破壊でき、スコアは1000点となかなかですが、道中にジムダが2列にズラッと並んだ箇所があります。これが「ジムダステギ」でどちらかの列のジムダを10個連続で破壊すると80000点の隠しボーナスが入ります。中盤で出現するので、キャラバンではお目に掛かれません。

・マジッカ:浮遊大陸上には「?」と記されたパネルが時折出現します。これは4発撃つこむと裏返り、ニコニコ顔の「ケラ」が出ると1UP、下を出した「プン」が出るとハズレ、というドバクチキャラです。実はスコアの100の位によって出現位置が決まっている(らしい)ので、法則が分かれば簡単に1UP出来る(らしい)。ノーミス前提のキャラバンでは特に出番がない。

・地上絵:浮遊大陸ゴーデスの最深部には謎の地上絵が描かれています。これはこのゲーム最大の隠しボーナスクレオパトラの出現場所を示しているのですが、一見しただけでは何の事か分かりません。何度も浮遊大陸ゴーデスに挑戦し、その全てを把握した者だけがクレオパトラに会うことが出来るでしょう。なお、クレオパトラを破壊すると100万点ボーナスとなります。

 

 以上のように、これでもかとばかりに隠し要素が仕込まれており、その謎を解明することがハイスコアへの道であり、またスコアによるエクステンドもあるので、隠しボーナスの獲得は長時間プレイの足掛かりともなるのです。このような多くの謎は、まさにゼビウスを彷彿とさせますが、しかし前回もお話ししたように、ゲーム性は真逆の簡単操作の爽快感溢れる内容であったため敷居が低く、多くのプレイヤーを受け入れることになりました。その中にはもちろん小学生も含まれ、結果としてキャラバンは大成功となるのです。

 

 さてキャラバンにおけるハイスコア狙う上で重要なのが「敵の出現テーブル」でした。通常、STGの敵は「マップのこの地点に来ると出現する」とか「マップのここまで来るとボスが現れる」など、ステージ構成と敵出現がセットになって設定されていました。これにより、プレイヤーは「ここでこの敵が出る」とか「そろそろボスだ」のように、ある程度の攻略の糸口にすることが出来るのです。

 しかしスターフォースは違いました。このゲームにおける敵の出現タイミングは背景とはリンクしておらず、あくまでも「前の敵がいなくなってから」というものでした。そして敵の出現順は「出現テーブル」というもので管理され、簡単に言うと「Aの敵の次はBの敵が出現する」といった具合に、出現順序は完全に決められていたのでした。

 ですから敵を倒すタイミングによっては、同じ背景でも出現している敵が異なる場合があります。これが結構重要な要素で、例えば1UPのチャンスであるマジッカが出現する時に厄介な敵が出現してしまうこともありますし、逆にジムダステギの場面で比較的楽な敵が出現したおかげで楽々ボーナスを取ることもあるわけです。

 

 さてキャラバンの場合制限時間がありますから、敵破壊に手間取るとその分出現する敵も減ることになります(「前の敵がいなくなってから」次の敵が出現するから)。ですから基本「出現即破壊」という流れになるわけですが、そうなると敵の出現パターン(画面右から出現する、など)、および攻撃パターンを熟知する必要があります。これに加えてヒドンやボーナスターゲットも考慮に入れなければなりませんから、円周率50ケタなんて目じゃないくらいの暗記が必要になってくるのです。

 更に言えば、制限時間内の敵出現のパターンを組んだとしても、それが実現可能かどうかはまた別問題で、反射神経や連射速度も必要になってくるのです。結局STGの総合的な能力が問われるゲームであったわけで、敷居が低い反面、極めようとするととてつもない努力とセンスを問われるゲームだったのです。

 

 しかしそれらを吹き飛ばすほど、このゲームは魅力的でした。先の隠し要素もそうですが、何よりも敵の造形が魅力的でした。鈍い金色に光る空中物もミステリアスでしたが、特に地上物が素晴らしく、前半はメカニカルなデザインだったものが、後半は奇怪な人面がモチーフの有機的なデザインとなっていきました。これがいかにも「禁断の地に分け入っている」感じがして、私の大好きな「怪しさ」を演出していたように思えます。

 実際、私も大学時代、ある筋から入手したファミコンで真っ先に遊んだのがスターフォースでした。かつて友達の家で指を咥えて見ているだけだった積年の思いをぶつけるように、それはもう毎日やり倒しました。さすがに連射がきつくて途中からは連射装置付きのオレコマンダージョイカードを使用しましたが、それでも後半面は高速の敵と低速の敵が入り乱れ、その上弾を垂れ流すという鬼攻撃のために本気でむつかしく、結局インフィニティ・エリアまでは行けませんでした。

 現在はGBAで遊ぶことが出来ますが、アーケード版はPS2Xboxバーチャルコンソールなどで遊ぶことが出来ます。実はアーケード版とFC版とは敵破壊に必要な撃ちこみ数や敵の得点など、細々と設定が違います。私は両方プレイしてみましたが、アーケード版は画面がとても広く感じられますが、同時表示出来るキャラクター数が多いので、つまり大量の敵と敵弾に囲まれるので、むつかしいです。逆にFC版はキャラクター数は少ないですが、画面が狭いのでやっぱりむつかしいです。FC版アーケード版の違いを見てみるのも面白いかもしれませんね。

 

 さてハドソンスターフォースのエッセンスである「地上空中無差別連射」と「隠しボーナス」を更に進化させる方向に向かいました。それが「スターソルジャー」なのですが、それはまた次回といたしましょう。



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