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「ねこたん」連載終了に思いを馳せる

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 先月のことです。いつものように某大手書籍通販サイトをブラブラしておりまして、ふと、「そういえば『ねこたん』の最新刊がそろそろ出るのではないかしら」と思い付き、検索をしてみました。すると、あぁ、ありましたありました。

 

「ねこたん。nekotan(3) 

 

 …なにィィィィッ!?完ンンンンンンッ!?終わっちゃったの!?そして発売日は9月9日。ということは、結構前に連載は終了してしまったことになります。少なくとも5月頃までは連載していたでしょうが、このブログでねこたんの紹介記事をアップするや否や連載終了とは…。

 ともあれ猛ダッシュで書店に走り、ねこたん最終巻を手に取りました。あぁ、これで終わりになってしまうのか。最新刊を手に入れた喜びよりも、これでサヨナラという現実の方がはるかに勝り、私は霧雨の中、傘も差さずに走ったのでした(一部脚色)

 

 さて、購入してから現在まで、1巻から3巻までを何度も読み返してみましたが…、私が大橋つよしファンであることを差っ引いても、「終わる理由が分からない」のでした。確かに伝説の作品「エレキング」よりも大橋節は非常にマイルドなものになっていましたが、大橋つよし氏特有の「不条理で力技で、でも後からジワジワ来る笑い」は健在でした。

 また大橋氏のクセである「初期設定を無視して笑いに走る」というお約束も健在で、この作品も当初は「猫が探偵を営み、様々な事件を解決する」という設定でしたが、やがて探偵をしなくなり、猫探偵を取り巻くヘンな日常に視点がシフトし、それこそエレキングを彷彿とさせる作風になりました。これを読んだ私は諸手を挙げて喜び、紹介記事を書いたわけです。

 ですからマイルドになったとはいえ、エレキング的ギャグを味わえた私としては、「こういう作品が終わってしまうということは、少年誌の読者はどういう作品を求めているのか」を考えてしまいます。やっぱり少年誌ですから、ヒロイックでバトル全開でちょっぴりお色気な作品なのでしょうか。

 

 しかし、あとがきで大橋氏は冷静に分析しています。曰く、

 

「少年誌の読者は少年ではなく、青年だったのです。」

 

 …「え?」と私は思いました。少年誌のメイン読者が青年ってどういうことだ?私はしばらく考えて、おぼろげに理由が分かりました。

 最近の少年誌の連載というのは非常に長期です。ですからある作品が連載を開始した時に少年だった人は、その連載を読み続けているうちに青年になっているわけです。そして長期連載作品が多く掲載されている訳ですから、新規読者は獲得しにくく、当然当初のメインターゲットの少年も入ってこないのでしょう。仮に新規読者を獲得したとしても、それは連載を読み続けている青年の口コミから興味を抱いた人、つまり同世代であり、したがって青年ということになるのかもしれません。結果、「少年誌の読者は青年」という構図が成り立ち、新連載作品も当然青年向けのものになり、いよいよ「少年誌の読者は青年」ということになるのです。

 私はこのように推論しました。もちろん間違っているかもしれません。しかしこの推論が正しいかどうかは問題ではなく、重要なのは大橋氏が指摘している通り、「少年誌の読者は青年」であるという点なのです。

 

 大橋氏は1巻で「少年向けに『分かりやすく』を心掛けた」と述べています。それが本作品のマイルドさの理由なのですが、しかし、読者が青年であったのならば、この作品のギャグのレベルは中途半端なことになります。実際、先にアップした紹介記事でも、私は「少々物足りなく感じたのも事実」と述べました。少年にはウケる、しかし青年には微妙。これこそがねこたん終了の理由であり、その点を大橋氏も自己分析していたのでした。

 連載終盤、つまり3巻の後半では、意図的に内容を青年向けにシフトしたことが明白であり、それはまさにエレキングの本当の再来とも言える出来でした。しかし時既に遅し、だったのでしょう。ターゲットとなる読者層を捉え直し、いよいよ斬馬刀を振り上げたところだっただけに、非常に残念でなりません。

 

 ということで、大橋氏の最新作は3巻で終了となってしまいました。しかし作品としての完成度は高いと言えます。もちろんそれは「少年誌を読む少年向けの内容として」の完成度です。やはり青年が読むには少々物足りないのは事実なのです。それでも、かつて自分が少年で、少年誌のギャグマンガを読んでいた時のような感覚はありました。つまり、大橋つよし氏はしっかりと少年マンガを描いていたのです。その意味で、大橋つよし氏の創作力は間違いないものなのであります。

 

 さて、あとがきで大橋氏はこんなことも言っています。

 

「今の少年たちはマンガを読まないのだろうか」

 

 …どうなんだろ。ウチの小さいのはマンガは読むけど、雑誌は読んでないな…。それだけに、この作品を少年達が読んでいたらどうなっていたのだろう、と考えてしまいますが、それは「もしも…」の詮無きことです。

 

 

 今回はねこたん紹介記事を書いた身として、ケジメとしてねこたん連載終了について書かせていただきました。今はただ、大橋氏の次回作を待ち望んでおります。

 

 大橋先生、次回作、待ってます!



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